結論から言うと、スペックが良い台とは、ボーダーが甘い台のことです。順に説明していきます。
一般的に、スペックが良い = 出玉が出る台、スペックが悪い = 出玉が出ない台という認識であると思います。
出玉が出るというのを、「1回で平均獲得できる出玉が多い」とすれば、それはすなわちボーダーのことと言い換えて問題ないでしょう。
ボーダーは、投資1000円あたりヘソで何回転すれば期待値がプラマイゼロになるかを示したものです。次の計算式で求めることができます。
ボーダー = 250 ÷ (1回の大当たりで獲得できる平均出玉) × (初当たり確率)
この式を解説します。式を変形すると、次のようになります。
(初当たり確率) ÷ ボーダー × 250 = (1回の大当たりで獲得できる平均出玉)
「(初当たり確率) ÷ ボーダー」の部分は、ボーダー回転数で確率分母まで何千円かかるかを示しています。
例えば、大当たり確率320分の1でボーダーが20回転であれば、320÷20=16なので16千円(1万6千円)かかります。
そこに250をかけることで、ボーダー回転数のときに確率分母まで何玉必要かを示しています。
先ほどの例では16×250 = 4000玉必要となります。
これが1回の大当たりで獲得できる平均出玉とイコールになるので、(大当たりに必要な平均の玉) = (大当たりで獲得できる平均の玉)となり、プラマイゼロになるというわけです。
ボーダーが甘い、つまりボーダーの値が小さい台は、同じ初当たり確率であれば平均出玉が多いということです。
先ほどの式にあてはめてみると、次のような表ができます。
ボーダー | 1/320の平均出玉 |
---|---|
15回 | 5333発 |
16回 | 5000発 |
17回 | 4705発 |
18回 | 4444発 |
19回 | 4210発 |
20回 | 4000発 |
この表の通り、ボーダーが15回の台は1回の当たりで平均5333発の出玉が期待できますが、ボーダー20回の台は1回の当たりで平均4000発しか期待できません。
つまり、ボーダー20回の台で当てるよりも、ボーダーが15回の台で当てた方が、平均1333発=5332円も価値が高いのです。
平均で5000円以上も差が出るなら、ボーダーが甘い台ばっかり打ってれば勝てる!
...かというと、残念ながらそうとは言えません。
現状、他の台に比べてボーダーが甘い台は、釘を閉められている傾向にあると言われています。
その最たる例が「牙狼 GOLD IMPACT」です。この台のボーダーは15台後半で、当時からの人気機種であるリゼロ鬼がかりやエヴァ未来への咆哮と比べてもかなりハイスペックでした。
ですが、この台は甘すぎて釘を閉められ、結果人気機種にはなれませんでした。
実際に釘が閉められていたかどうかは不明ですが、パチンコ系メディアの記事などから見るに、このボーダーで利益を出せる回転数にしてしまうと、ヘソ保留がなくなり液晶が動かない状態が長く存在してしまうのだと思います。
ヘソに玉が入らずにタイトル画面に戻ってしまったりすると、かなりイライラしてしまい、そういった方の口コミが多く出回った結果、回らないという印象になったのではないかと考えています。
結果、回らない印象 ⇒ 稼働率が落ちる ⇒ 利益がとれないので回せなくなる といったことも起こってしまったのでしょう。
このお話の真偽はさておき、ボーダーが甘い機種は、ボーダーが辛い機種に比べれば回りにくいように調整されることは間違いないでしょう。
ですので、ボーダー15回の台は、ボーダー20回の台よりも5000円分以上出ますが、回すのにも投資がかかるので勝ちやすいとは言えない、ということです。
もう1つ、スペック=ボーダーとして考えたときに残念な話があります。直近、特に2022年~2023年現在に出た台は、ほとんどボーダーが同じです。
具体的には、ボーダーは16~18の台がほとんどで、16.5~17.5くらいのボーダーの台が多いです。
極論を言ってしまえば、同じくらい回る台ならどの台に座っても大差はありません。
その理由としては、限界スペックである1500×81%の類似台が増え、他機種よりスペックを下げた機種が出しにくいことと、甘すぎる機種は敬遠されがちな傾向にあるというところがあるでしょう。
いま、「1500発×79%継続のラッシュ搭載のミドル機登場!」となっても、なかなか打ちたくはならないですよね。
ボーダーが大体同じなので、平均出玉も大体同じくらいになります。初当たり確率毎に表にしてみました。
初当たり確率 | ボーダー16.5~17~17.5 |
---|---|
1/100(甘デジ) | 1515~1470~1428 |
1/200(ライトミドル) | 3030~2941~2857 |
1/320(ミドル) | 4848~4705~4571 |
1/350(スマパチ) | 5303~5147~5000 |
一番差があるスマパチで300玉程度です。「16.5のスマパチで16回当てるのと、17.5のスマパチで17回当てるのが大体同じ」となります。
目に見えて実感できるような性能の差ではないでしょう。
以上をまとめると、このようになります。
スペックの良い悪いについてのお話は以上です。
ネット上では、「甘い台 = 勝ちやすい」という論調で書かれている記事が多く散見されます。間違っているとも言い切れませんが、正確ではない表現なので、鵜呑みにしすぎないようにしてください。
では、新しい台が出たとき、目の前に打ったことのない台があるとき、スペック表のどこを見ればいいのか。
それは、好きか嫌いかです。
出玉性能に大差のない今、スペックは良いか悪いかではなく、好きなスペックかどうかで選ぶべきなのです。
次回は、スペック編2として、スペックをどのように見ればいいのかについて書いていきたいと思います。
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