前回の記事で、スペックが飛び抜けていい台、長期的に見て勝ちやすい台というものは存在しないことを説明しました。
しかし、スペックによって、好きなスペック、そうでないスペックというものは存在します。
今回は、好きなスペックの見つけ方、について前後編で紹介していきたいと思います。
パチンカーなら、確変が好き、1種2種が好き、ロングSTが好きといった好みはあると思います。ちなみに私はロングSTが好き寄りです。
しかし、当サイトはシミュレーションのため、例えば81%×1500発であれば、どのような抽選方式であっても同じ分布になります。
少し違和感があるかもしれませんが、「継続率と振り分けが同じなら同じスペック」と考えて、スペックについて考えていきましょう。
スペックをよりよく知るために大切なことが、「期待出玉を分解してみてみる」ということです。
前回もお話した通り、今の台は1回の大当たりでの期待出玉はほぼ同じになっており、差別化は難しくなっています。
なので、今回はその期待出玉がどういう振り分け方をされているのか、について見ながら、スペックを深掘りしていきましょう。
比較的わかりやすい例なので、まずはリゼロの出玉について分解して考えていきたいと思います。
まず、シミュレーションで取得したリゼロの簡単なデータがこちらです。ボーダーさえ分かれば平均出玉は前回の式で計算ができるので、他の台でも試してみてください。
初当たり確率 | 平均出玉 | ボーダー |
---|---|---|
1/319.6 | 4828発 | 16.55 |
では、こちらを分解していきましょう。
まずは、通常大当たりと確変(リゼロの場合は時短)大当たりでリゼロのスペックを分解してみましょう。
通常大当たりの方が計算が楽なので、こちらを計算します。
リゼロは通常大当たりは1500発の出玉がもらえます。実際に貰えるのは打ち出す100発を除いた1400発になります。
その確率が45%なので、1400×0.45=630となります。これが通常大当たりに振り分けられた分になります。
そして、残りの4828-630=4198発が、確変に振り分けられた分となります。
さらに確変突入率55%を使うと、4198 ÷ 0.55 = 7633という数字が出てきます。これが、確変突入時の期待出玉となります。
まとめてみるとこのようになります。
通常大当分 | 確変大当分 | 確変平均出玉 |
---|---|---|
630発 | 4198発 | 7633発 |
さらにもう1段階分解してみます。先ほど出した確変期待出玉から、初当たり出玉を引いてみましょう。
リゼロの場合はルートが1つしかないので簡単で確変突入時の初当たり出玉については、出玉は3000発、手取りでは2800発となります。
7633 - 2800 = 4833です。これは、RUSH突入後の獲得期待出玉です。RUSH性能と言い換えても問題ないでしょう。
また、初当たり出玉に確変突入率を掛け算します。2800 × 0.55 = 1584
これを確変大当たり分から引きます。4198 - 1584 = 2614となります。
これで、下記の3つの数字を導き出すことができました。
通常大当分 | 確変初当分 | RUSH分 |
---|---|---|
630発 | 1584発 | 2614発 |
いかがでしょうか。つまり、リゼロは期待出玉4828発のうち、2614発がRUSHで期待できる出玉ということです。2234発分は初当たりで取得できるということになります。
この数字を確認して、次の機種も見てみましょう。
リゼロときたら、次は当然エヴァです。エヴァは振り分けがやや複雑になるところがあります。
エヴァの情報はこちらのようになります。他サイトではやや辛めに出ていますが、残保留が入っていないなどの算出条件になっているのではないかと思います
初当たり確率 | 平均出玉 | ボーダー |
---|---|---|
1/319.7 | 4806発 | 16.63 |
おおよそリゼロと同じくらいの値です。それでは詳細を見ていきましょう。
後ほどRUSH性能を見るので、ここでの確変は時短引き戻しも含めた値で考えます。
通常、つまりIMPACT MODEに突入しないのは、通常大当たりから時短をスルーした場合なので、この時の出玉は450発、手取りで420発となります。
エヴァの確変突入率はトータル70%なので、これを使うと次のようになります。
通常大当分 | 確変大当分 | 確変平均出玉 |
---|---|---|
126発 | 4680発 | 6685発 |
こちらもRUSH性能を算出するために、時短からの確変突入も初当たりとして考えて計算してみます。
すると、エヴァの確変突入ルートは3つで、10R確変、3R確変、3R通常からの10R確変引き戻しとなります。
それぞれ出玉が1500,450,1950で、手取りが1400,420,1820となります。また、その割合はそれぞれ、3:56:11となります。
ここから、初当たり平均出玉を求めます。(1400×3 + 420×56 + 1820×11)÷(3+56+11) = 682となります。
よって、ラッシュ性能は6685 - 682 = 6003発となります。おおよそ10R(出玉1500/手取り1400)4.29回分ということで、1500×81%ループの場合は大体これくらいの数値になるはずです。
さらに682×0.7(確変突入率)=477となり、4680-477=4203で最終的には次のようになりました。
通常大当分 | 確変初当分 | RUSH分 |
---|---|---|
126発 | 477発 | 4203発 |
リゼロと比べると一目瞭然で、RUSH分の出玉が非常に多くなっています。つまりは、「トータルで獲得できる出玉のほとんどがRUSH中の出玉である」ということができます。
また、1500×81%ループは6000発ほどの期待出玉があります。ミドルの期待出玉は4500~4800発程度ですので、RUSH突入率が80%を超える台を作ることはできず、初当たり出玉を減らしても70%はかなり上限に近いスペックといえます。
このように、近い期待出玉でも、内訳についてはかなり差があるということがよくわかります。
これらの考え方を使用して、特徴的なスペックの機種についてもその振り分けを考えてみることができます。
比較的新しいライトミドル、Pギルティクラウン2について考えてみましょう。この機種の特徴はなんといっても突入時に得られる平均4450発のSPLですが、RUSH性能は他機種との比較が難しく、ややわかりにくいです。
スペックはこんな感じです。
ライトミドルかつボーダーはそれほど甘くない機種ということもあり、期待出玉は3373玉とエヴァやリゼロより1500発ほど少ないです。
通常大当たりの7Rは、出玉280発、手取りは224発の少ない出玉になります。
これを使って、下記のように計算できました。
通常大当分 | 確変大当分 | 確変平均出玉 |
---|---|---|
112発 | 3261発 | 6522発 |
なんと、確変平均出玉は6522発と、エヴァの6685発と比べてもあまり差がありません。突入率を50%にし、通常大当たりを弱くすることで、エヴァと遜色ない確変性能を実現できているのです。
確変初当たり時の出玉は平均約4450発、手取りでも4140発ほどもらえる計算になります。この数値を使って計算していくと、次のようになります。
通常大当分 | 確変初当分 | RUSH分 |
---|---|---|
112発 | 2070発 | 1191発 |
また、RUSH性能は2382発となりました。
予想通り、確変の初当たりに比重をおいている機種ということができました。
ギルティクラウンにおいては、期待出玉の約6割が確変の初当たりであるSPLによって消費されるため、RUSHの性能はかなり弱く、甘デジでも2300初程度の性能は珍しくないというレベルです。
大きな出玉を目指すには、確変の初当たりであるSPLでいかに連チャンさせて出玉をとるか、というところが肝になる1台ということができそうです。
以上のように、分解することで台のスペックを見ることができました。
次回はここからさらに、自分に向いた好きな台を見つけることをテーマに考えていきたいと思います。
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